智に働けば角(かど)が立つ‥12月9日は漱石忌、開高忌

智に働けば角(かど)が立つ‥12月9日は漱石忌、開高忌

夏目漱石『草枕』の冒頭‥

みなさんご存じの夏目漱石『草枕』の冒頭です。

山路やまみちを登りながら、こう考えた。
智ちに働けば角かどが立つ。情じょうに棹さおさせば流される。意地を通とおせば窮屈きゅうくつだ。とかくに人の世は住みにくい。
住みにくさが高こうじると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟さとった時、詩が生れて、画えが出来る。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りょうどなりにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。‥

吾が余生情に流され漱石忌 谷口和子

谷口和子さん

大正15年2月16日東京生。昭和18年3月旧制東京都立第三高女卒業。昭和38年高濱年尾先生入門。その後稲畑汀子先生よりご指導を受け今日に至る。昭和40年2月よりホトトギス投句。昭和53年ホトトギス同人

夏目漱石『草枕』のあらすじ‥

日露戦争のころ、30歳の洋画家である主人公が、山中の温泉宿に宿泊する。やがて宿の「若い奥様」の那美と知り合う。出戻りの彼女は、彼に「茫然たる事多時」と思わせる反面、「今まで見た女のうちでもっともうつくしい所作をする女」でもあった。そんな「非人情」な那美から、主人公は自分の画を描いてほしいと頼まれる。しかし、彼は彼女には「足りないところがある」と描かなかった。‥

 

 

12月の文学忌一覧

12月の文学忌をまとめてみました。

忌日 備考
12月9日 漱石忌、開高忌 文豪、夏目漱石の忌日。十二月九日。(1867~1916年)小説家、評論家、英文学者。本名は金之助。大学時代、子規と出会い、俳句を学ぶ。子規とは終生深い友情で結ばれていた。うつしゑのうすきあばたや漱石忌
12月10日 黒鳥忌
12月11日 沢庵忌
12月13日 瓠堂忌
15日 青邨忌、どんざ忌
18日 源内忌
20日 劉生忌、石鼎忌
22日 青畝忌
25日 蕪村忌
29日 山田耕筰忌
30日 横光忌、ホシヅル忌
31日 寅彦忌、一碧楼忌

 

「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」は辞世句か

これは辞世なのか‥、そんな疑問に安居 正浩さんが以下に考察しているので、一読いただきたい。

「旅に病んで」の句を耳にした時、すぐに芭蕉の辞世句と思われる方も多いのではないだろうか。確かに死を前にした心境を素直に表現しているようで、辞世句としてふさわしく見える。ところがこの句には「病中吟」という前書がついている。
芭蕉がどういう気持ちでこの句を詠み、何故「病中吟」という前書をつけたのかを考えてみたい

 

赤穂義士と鬼平を結ぶ、江戸時代の「あいうえお」

赤穂義士と鬼平を結ぶ、江戸時代の「あいうえお」‥ってなに? そうなんです。急におもいついて、赤穂義士と鬼平を結ぶ関係を個人的に勝手に作ってみました。きっかけは、池波正太郎の鬼兵(鬼平犯科帳)のエンディングテーマ「インスピレーション」です。なぜ、鬼兵(鬼平犯科帳)のエンディングテーマがインスピレーションなのか‥を探ってみたいと思います。

「あ」‥赤穂義士 あら楽し思いは晴るる
「い」‥池波正太郎 インスピレーション
「う」‥討ち入り 浮世絵
「え」‥江戸時代 エンディングテーマ
「お」‥鬼平犯科帳 大石内蔵助 大高源吾

池波正太郎の「おれの足音-大石内蔵助」‥購入

子供の頃から居眠りばかり、けれども女好きなることこの上なく、国家老になってからも「昼行燈」という、あだ名をもらっていた男。柚子味噌をなめながら晩酎をし、妻女と仲よく暮らし、たまさかには出張にことよせて、あまり上等でない遊女たちと、たわむれ遊ぶことに無上の喜びを感じていた男…大石内蔵助という男の足音。

ドラマ「鬼平犯科帳」ができるまで

28年間に渡り放送された「鬼平犯科帳」。その人気の秘密を番組スタッフのプロデューサーから殺陣師や録音技師、美術監督などに直接インタビュー。今の世で正統的時代劇を放送する上での、苦労話、ここだけの話、内緒の話がテンコ盛り。さらに「オール讀物」に掲載された「鬼平」関連の記事も収録。鬼平ファン必読の一冊である。

まとめと関連情報

人生、こうありたいものです‥。Final-curatinを前にして、こう宣言したいものです。

智に働けば角(かど)が立つ‥12月9日は漱石忌、開高忌
あら楽し思いは晴るる‥I did it my way‥
マイウェイ My Way(Frank Sinatra)和訳と歌詞
夏の月蚊を疵(きず)にして五百両 其角
我が物と思えば軽し笠の雪 其角 ことわざ
以て瞑すべし(もってめいすべし) の意味や使い方など‥忠臣蔵
南部坂雪の別れ‥忠臣蔵‥内蔵助が瑤泉院に暇乞い
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三昧の読み方・意味・使い方
赤穂義士と鬼平を結ぶ、江戸時代の「あいうえお」
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各々方、覚悟はよろしいか。忠臣蔵

 

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