墨家の兼愛と非攻とは

墨家の兼愛と非攻とは

墨家の兼愛と非攻とは

墨家(ぼくか、ぼっか)は、中国戦国時代に
墨子によって興った思想家集団であり、
諸子百家の一つ。

博愛主義(兼愛交利)を説き、
またその独特の思想に基づいて、
武装防御集団として各地の守城戦で活躍した。

墨家の思想は、都市の下層技術者集団の
連帯を背景にして生まれたものだといわれる。
代表的な思想家に、墨翟(墨子)がいる。

戦国時代に儒家と並び最大勢力となって
隆盛したが、秦の中国統一ののち勢威が
衰え消滅した。

墨家の基本思想(墨家十論)

『墨子』における墨家の十大主張がある。
全体として儒家に対抗する主張が多い。
また実用主義的であり、秩序の安定や
労働・節約を通じて人民の救済と
国家経済の強化をめざす方向が強い。

また全体的な論の展開方法として
比喩や反復を多用しており、一般民衆に
理解されやすい主張展開が行なわれている。

この点、他の学派と異なった特色を有する。
特に兼愛、非攻の思想は諸子百家において
とりわけ稀有な思想である。

●兼愛

兼(ひろ)く愛する、の意。全ての人を
公平に隔たり無く愛せよという教え。
儒家の愛は家族や長たる者のみを強調する
「偏愛」であるとして排撃した。

●非攻

当時の戦争による社会の衰退や殺戮などの
悲惨さを非難し、他国への侵攻を否定する教え。
ただし防衛のための戦争は否定しない。
このため墨家は土木、冶金といった工学技術と
優れた人間観察という二面より守城のための
技術を磨き、他国に侵攻された城の防衛に
自ら参加して成果を挙げた。

諸子百家 墨家の読み方

墨的家は、「ぼくか」あるいは「ぼっか」と読みます。

諸子百家 儒家・墨家・道家・法家・兵家

諸子百家 儒家・墨家・道家・法家・兵家
(中公新書)湯浅邦弘

春秋戦国時代、諸国をめぐって自らの
主張を説いた思想家たち。彼らの思想は、
その後の中国社会の根幹を形づくったのみならず、
日本をはじめ東アジアにおいても大きな
影響力を持った。

一九九〇年代には大量の古代文献が発掘され、
これまで謎とされてきた事柄も解き明かされつつある。

新知見をふまえ、儒家(孔子・孟子)、
墨家(墨子)、道家(老子・荘子)、法家(韓非子)、
兵家(孫子)などの思想と成立の過程を平易に解説。

●目次

序章 新出土文献の発見と諸子百家/
第1章 諸子百家前史ー新出土文献の語るもの/
第2章 君子とは誰かー孔子の思想/
第3章 人間への信頼ー孟子の思想/
第4章 特異な愛のかたちー墨家の思想/
第5章 世界の真実を求めてー道家の思想/
第6章 政治の本質とは何かー法家の思想/
第7章 戦わずして勝つー孫子の思想/
終章 諸子百家の旅

●著者情報
湯浅邦弘(ユアサクニヒロ)
1957年島根県生まれ。
大阪大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。
北海道教育大学講師、島根大学助教授、
大阪大学助教授を経て、大阪大学教授

中国戦国時代の映画「墨攻」とは

中国戦国時代の映画「墨攻」とは

漫画や映画にもなった伝説の傑作、
酒見賢一著の墨攻 (文春文庫)。

中国古代、「墨守」という
言葉を生んだ謎の集団・墨家。

たった一人で大軍勢から城を守った男を、
静謐な筆致で描いた鬼才の初期傑作。

●内容情報

大国が覇を競う古代の中国。
平和を説き、戦争で助けを求められれば
あらゆる手段で依頼者を守るスペシャリストの集団、
墨子教団がいた。いま小城が呑まれようとするなか、
教団の俊英・革離はひとり救援に駆けつける。
二万の軍勢に囲まれた町を彼は守り通せるか?
映画化もされた中島敦記念賞受賞の傑作小説!

●著者情報

酒見賢一(サケミケンイチ)
福岡県生まれ。愛知大学卒業。
1989(平成元)年「後宮小説」で
第1回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。
92年「墨攻」他で中島敦記念賞を、
2000年「周公旦」で、新田次郎文学賞を受賞

『舟を編む』を辞書『大渡海』で調べた

『舟を編む』を辞書『大渡海』で調べた

『舟を編む』(ふねをあむ)は、
三浦しをんによる日本の小説。

女性ファッション雑誌『CLASSY.』に、
2009年11月号から2011年7月号にかけて連載され、
2011年9月16日に光文社より単行本が発売。

雑誌連載時の挿絵や単行本の装画、
文庫のカバー装画は、雲田はるこが担当。
2012年、本屋大賞を受賞。

「玄武書房」に勤める変人編集部員・馬締光也が、
新しく刊行する辞書『大渡海』の編纂メンバーとして
辞書編集部に迎えられ、個性豊かな編纂者たち
が辞書の世界に没頭していく姿を描いた作品。

 

「辞書は言葉の海を渡る舟、
編集者はその海を渡る舟を編んでいく」

という意味でこの書名が付いている。

 

執筆にあたって、岩波書店および
小学館の辞書編集部の取材を行なっている。

2013年、石井裕也監督、松田龍平主演で映画化され、
2016年10月から12月までテレビアニメが放送された。

映画・舟を編む(The Great Passage)

監督 石井裕也
脚本 渡辺謙作
原作 三浦しをん
出演者 松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョー、加藤剛

玄武書房に勤める馬締光也は、
営業部きっての変人として、持て余されていた。

そんな時、定年間近の辞書編集部の荒木から、
声をかけられる。「きみは『右』を説明しろと
言われたらどうする?」周りから見れば変人でも、
人とは違う視点で物事を捉え、整理しようとする
馬締は、辞書編集部が求める人材であった。

そして馬締は荒木たちが新たに作ろうと
している新しい辞書、『大渡海』を編む
メンバーとして迎えられる。

ベテラン編集者、日本語を研究に人生を捧げる老学者、
徐々に辞書に愛情を持ち続けるチャラい同僚。
そして出会った運命の女性。

馬締は個性的なメンバーに囲まれながら、
日本語という大海原を渡るための舟を編みはじめる。
そして長い歳月を辞書とともにすごすことにーー。
三浦しをんの、日本語への敬意と
愛に満ちた最新長編小説。

三浦 しをん・作品(代表作)

三浦 しをん・作品【代表作)

三浦 しをん(1976年(昭和51年)9月23日 – )

小説家、随筆家。女性。

代表作
『まほろ駅前多田便利軒』(2006年)
『風が強く吹いている』(2006年)
『舟を編む』(2011年)

主な受賞歴
直木三十五賞(2006年)
本屋大賞(2012年)
織田作之助賞(2015年)
デビュー作
『格闘する者に○』(2000年)

湊かなえさんの作品・本 リバース


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今年でデビュー10周年。
なんと20作品から15冊が映像化ミステリーを書こうと思って
ちらしの裏に、ミステリーに関連する
単語を書いて行って、そこから、どの言葉に目がとまるか考えると
復讐という言葉に目がいったそうです。

圧倒的な妄想力で物語を紡ぎだす。
なにが一番相手にダメージを与えるのかなど‥

復讐がテーマなんですね

2005年 – 第2回BS-i新人脚本賞佳作入選。
2007年 – 「答えは、昼間の月」で第35回創作ラジオドラマ大賞受賞。
2007年 – 「聖職者」で第29回小説推理新人賞受賞。
2009年 – 『告白』で第6回本屋大賞受賞、第2回大学読書人大賞第6位。
2009年 – 第3回広島文化賞新人賞受賞。
2010年 – 『贖罪』で第63回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補。
2011年 – 『告白』で第4回大学読書人大賞第3位。
2012年 – 「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。
2013年 – 『母性』で第26回山本周五郎賞候補。
2013年 – 『望郷』で第149回直木三十五賞候補。
2015年 – 『絶唱』で第28回山本周五郎賞候補。
2016年 – 『リバース』で第37回吉川英治文学新人賞候補。
2016年 – 『ユートピア』で第29回山本周五郎賞受賞。
2016年 – 『ポイズンドーター・ホーリーマザー』で第155回直木三十五賞候補。

まとめと関連情報

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