第三章 保険給付 第一節 通則(第三十二条―第四十一条)
第三十四条 政府は、第二条の四第一項の規定により財政の現況及び見通しを作成するに当たり、厚生年金保険事業の財政が、財政均衡期間の終了時に保険給付の支給に支障が生じないようにするために必要な積立金(年金特別会計の厚生年金勘定の積立金並びに第八十五条の二及び第百六十一条第一項に規定する責任準備金をいう。)を保有しつつ当該財政均衡期間にわたつてその均衡を保つことができないと見込まれる場合には、保険給付の額を調整するものとし、政令で、保険給付の額を調整する期間(以下「調整期間」という。)の開始年度を定めるものとする。
2 財政の現況及び見通しにおいて、前項の調整を行う必要がなくなつたと認められるときは、政令で、調整期間の終了年度を定めるものとする。
3 政府は、調整期間において財政の現況及び見通しを作成するときは、調整期間の終了年度の見通しについても作成し、併せて、これを公表しなければならない。
第三十五条 保険給付を受ける権利を裁定する場合又は保険給付の額を改定する場合において、保険給付の額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。
2 前項に規定するもののほか、保険給付の額を計算する場合において生じる一円未満の端数の処理については、政令で定める。
2 年金は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は、支給しない。
3 年金は、毎年二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の六期に、それぞれその前月分までを支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであつた年金又は権利が消滅した場合若しくは年金の支給を停止した場合におけるその期の年金は、支払期月でない月であつても、支払うものとする。
第三十七条 保険給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかつたものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。
2 前項の場合において、死亡した者が遺族厚生年金の受給権者である妻であつたときは、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた被保険者又は被保険者であつた者の子であつて、その者の死亡によつて遺族厚生年金の支給の停止が解除されたものは、同項に規定する子とみなす。
3 第一項の場合において、死亡した受給権者が死亡前にその保険給付を請求していなかつたときは、同項に規定する者は、自己の名で、その保険給付を請求することができる。
4 未支給の保険給付を受けるべき者の順位は、第一項に規定する順序による。
5 未支給の保険給付を受けるべき同順位者が二人以上あるときは、その一人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。
第三十八条 障害厚生年金は、その受給権者が他の年金たる保険給付、国民年金法 による年金たる給付(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される障害基礎年金を除く。)又は他の被用者年金各法(国民年金法第五条第一項第二号 から第四号 までに掲げる法律をいう。以下同じ。)による年金たる給付(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される障害共済年金を除く。)を受けることができるときは、その間、その支給を停止する。老齢厚生年金の受給権者が他の年金たる保険給付(遺族厚生年金を除く。)、国民年金法 による年金たる給付(老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金を除く。)又は他の被用者年金各法による年金たる給付(退職共済年金及び遺族共済年金を除く。)を受けることができる場合における当該老齢厚生年金及び遺族厚生年金の受給権者が他の年金たる保険給付(老齢厚生年金を除く。)、国民年金法 による年金たる給付(老齢基礎年金及び付加年金、障害基礎年金並びに当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される遺族基礎年金を除く。)又は他の被用者年金各法による年金たる給付(退職共済年金及び当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される遺族共済年金を除く。)を受けることができる場合における当該遺族厚生年金についても、同様とする。
2 前項の規定によりその支給を停止するものとされた年金たる保険給付の受給権者は、同項の規定にかかわらず、その支給の停止の解除を申請することができる。ただし、その者に係る同項に規定する他の年金たる保険給付、国民年金法 による年金たる給付又は他の被用者年金各法による年金たる給付について、この項の本文若しくは次項又は他の法令の規定でこれらに相当するものとして政令で定めるものによりその支給の停止が解除されているときは、この限りでない。
3 第一項の規定によりその支給を停止するものとされた年金たる保険給付について、その支給を停止すべき事由が生じた日の属する月分の支給が行われる場合は、その事由が生じたときにおいて、当該年金たる保険給付に係る前項の申請があつたものとみなす。
4 第二項の申請(前項の規定により第二項の申請があつたものとみなされた場合における当該申請を含む。)は、いつでも、将来に向かつて撤回することができる。
第三十八条の二 年金たる保険給付(この法律の他の規定又は他の法令の規定によりその全額につき支給を停止されている年金たる保険給付を除く。)は、その受給権者の申出により、その全額の支給を停止する。ただし、この法律の他の規定又は他の法令の規定によりその額の一部につき支給を停止されているときは、停止されていない部分の額の支給を停止する。
2 前項ただし書のその額の一部につき支給を停止されている年金たる保険給付について、この法律の他の規定又は他の法令の規定による支給停止が解除されたときは、前項本文の年金たる保険給付の全額の支給を停止する。
3 第一項の申出は、いつでも、将来に向かつて撤回することができる。
4 第一項又は第二項の規定により支給を停止されている年金給付は、政令で定める法令の規定の適用については、その支給を停止されていないものとみなす。
5 第一項の規定による支給停止の方法その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第三十九条 乙年金の受給権者が甲年金の受給権を取得したため乙年金の受給権が消滅し、又は同一人に対して乙年金の支給を停止して甲年金を支給すべき場合において、乙年金の受給権が消滅し、又は乙年金の支給を停止すべき事由が生じた月の翌月以後の分として、乙年金の支払が行われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。
2 年金の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金が支払われたときは、その支払われた年金は、その後に支払うべき年金の内払とみなすことができる。年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金が支払われた場合における当該年金の当該減額すべきであつた部分についても、同様とする。
3 同一人に対して国民年金法 による年金たる給付の支給を停止して年金たる保険給付を支給すべき場合において、年金たる保険給付を支給すべき事由が生じた月の翌月以後の分として同法 による年金たる給付の支払が行われたときは、その支払われた同法 による年金たる給付は、年金たる保険給付の内払とみなすことができる。
第三十九条の二 年金たる保険給付の受給権者が死亡したためその受給権が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以後の分として当該年金たる保険給付の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権(以下「返還金債権」という。)に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき年金たる保険給付があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該年金たる保険給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。
2 前項の場合において、受給権者が、当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で、保険給付をしないことができる。
第四十一条 保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、年金たる保険給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供する場合及び老齢厚生年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。
2 租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。ただし、老齢厚生年金については、この限りでない。
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